
先日、家の整理をしていると懐かしいスケッチブックが出てきました。
水彩画を始めた2010年8月からの作品です。
上の「大阪ミナミ・金龍ラーメン」は人生2作目の作品です。

最初は「写真をそのままそっくりに写す」という方式の教室に入ったので、先生の指導に忠実に頑張っていました。
まだSNS黎明期でしたので、「滲み暈し大きなタッチ」の描き方は知らず『これが普通』と思っていました。
製作時間は一作品50時間

しかし、私は美術短大で日本画をしていたので案外丁寧に絵の具を溶く癖がついていてそれほどストレスは無く描いていました(;^_^A。
日本画は瓶に「顔料」そのものが入っており、それを「膠」という定着材でしっかり指で溶いて、さらに水で溶いてやっと着彩します。
膠もゼラチンの様な状態から自分でお鍋で溶かしますので濃度には敏感でした。
膠が濃すぎたら「画面がテカテカ」になってしまうし、逆に薄すぎたら「岩絵の具などはボロボロと剥がれ落ち」てしまいます。
重色では徐々に膠の濃度を下げていかないといけないこともあり匙加減には神経を使っていました。

透明水彩は元々、顔料とアラビアゴムという定着材が元々練り混ぜてあるので、『楽だなぁ~』と感じていました。
そして、丁寧に着彩していると「幾重に重ねてもそんな色は悪くならない」と正直感じていました。
5~10回は重ねて「重色の『深み』『艶』」に魅力を感じていたのですが、
後々沢山出てくる技法書を読むと、『重ねれば重ねる程色はよくない』という主旨の記載を目にして「そうかなぁ?」っと感じていました。
ザックリとした大きなタッチ、大胆な滲み暈しというのは、憧れる人は多いですし私もその一人ですが難易度は高い描き方。
かえって細やかタッチで「写真みたい」に描くほうが時間と根気が要りますが簡単です。
絵は「構想」してから取り掛かるのがよいですが経験者の方も含めて敬遠される傾向にあります。
「気持ちの鮮度」が失せないうちに取り掛かりたいのが人の性なのかな?
細やかタッチは「構想」せずとも時間をかけて描きながら調整してゆけるので何とかなる感じです。
※但し、「構図の切り取り方を変えたい」「パースが狂い過ぎ」「広い面積濁り過ぎ」などは回復無理。あくまでも主従や遠近や明暗の調整のこと。
○●○●○●○●○
私の教室は写真そっくりに時間をかけて描く教室ではないですが、重色の回数を制限し過ぎたらスパルタになる。
『”絵の具の溶き方、筆の最適化”さえすれば幾重の重色も深みと艶で魅力的になる。』と思って今まで来ました。

しかし最近「1回で塗る色の綺麗さ」や「バルール(色価)」について気づきがあり、
私の中で両方とも「有り!」の考え方となりました。

〇ザックリタッチは・・・「重色」は最小限ですが「構想を基にしたバルール」「バルールを元にした色作り」「絵の具の溶き方や筆の最適化」を着彩前にして一発で決めないといけない。
〇細やかタッチは・・・少しづつ積み上げていくので”「構想」を疎かにしても着彩しながら考える”ことができますが「重色」が多くなるので”絵の具と筆の扱い”に気を配らねば色が濁ってしまう。
でも普通は・・・
事前に「構想」せず、
「輪郭線」の中を「薄い色、少ない絵の具」で「塗りながら考え」、
ザックリタッチ向けの「大きめの筆」で、
「”絵の具の溶き方や筆の最適化”をせずに塗る。」
という感じなりがち。
それがどちらの方式も、着彩を基本的に難しくしている原因かなと思っています。

ザックリのほうが難しいので私もまだまだですが、最近は両方の着彩の考え方を持ちながら教室をしています。
※この記事に掲載されている作品は、薄い色から幾重にも重色して描いたものです。平均50時間かかってますが💦コツコツとしたアプローチも楽しいひとときでした。
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