皆さんこんにちは!
毎日雨模様ですね。教室でも紫陽花の絵が盛んです。梅雨が明ける前に描きたいものですね。
伏見教室Sさん 淡路島旅行で雨降りのときの光景を元に描かれました。しっとりとした空気感がよく出ていますね♪「細かくて沢山のモノ」も頑張られましたね☆
カルチャーハウス香里ケ丘 Sさん
雑誌の模写なので練習ですが、窓辺の紫陽花も趣がありますね✨
アートエッセイ
「”大らかタッチ”の絵を練習する前の問題」
※上記の内容とは関係ありません
Ⅰ まず基本の「写真模写」と「屋外スケッチ」私の考え方
私は趣味の水彩画は「写真模写」でよいと本当に思っています。私自身、初心者の頃にそうやって初めて凄く楽しかったので今があります。屋外スケッチを始めたのは写真で描くことに少し慣れ欲が出てきてからです。
写真は立体を平面に翻訳してくれているのでデッサン力をアシストしてくれます。なので年配になって絵を始めた方でも案外早い段階で成立した具象画が描けます。
ポイントは写真の欠点を知って上手く利用すること。『実際に現場に行ったらどんな印象だろうか?』と想像力を働かせるとなお良しです。
また、天候や陽射しの変化にも左右されず、安全な室内で、交通事情や地理的条件もクリアして描けますね。
時間と根気が要りますが立派な趣味の水彩画です。
「屋外スケッチ」はマナー問題、通行への支障から厳しい目で見られており制約がありますし、寂しいところで独りは身の危険もありますね。長時間になると熱中症やエコノミークラス症候群にも気を付けないといけない。【現場原理主義】もなかなか大変。これからの季節は【早描きスケッチ】がいいかもですね。
ちょっと話が反れました(;^ω^)
Ⅱ「大らかタッチの絵」は、何一つ取り組む前に挫折しやすい。
私もそうなのですがこの「写真模写」に慣れると、大らかタッチで雰囲気が魅力の「描(えが)かれた絵」に憧れることが多い。
そこでそのアプローチを把握できないために、全く一度もその練習を積まずして、それ以前に混乱して迷路に入ってしまう方も多いのではないか?と常々感じています。
それは非常に空しいので、それを説明する練習をこのブログ記事を書くことでしている感じです。
Ⅲ「描(えが)かれた絵」のアプローチ
前回もご紹介したアルウィンクロ―ショー氏の本に赤線を追加しました。
クリックすると拡大します。
このアプローチを結論から言うと、書かれている内容の通り「モチーフをよく観察して、一度自分の中で整理して、画面に表現する」それに尽きます。スグに出来ることではなく、経験値を積む必要がありますが、その道を楽むというものなのです。
Ⅳ 「描(えが)かれた絵」のアプローチは勘違いされやすい
※画像の赤番号
①「描きやすくて簡単そう。時間と根気で描くのはしんどい。こっちのほうが楽そう!」と勘違いされやすい。
本質的なものを見極めて簡単なタッチに単純化する仕事をしてあります。単に簡単なタッチで塗るのとはかなり違います。
②「先生の見本を上手に写せば描ける!」と勘違いされやすい。
先生の絵は「季節・時間帯・陽射しの方向・天候・主従・遠近etc」のシチュエーションを加味して「単純化」したものです。それを自分のオリジナル作品に単に写すだけではシチュエーションが違うので違和感が出ます。
③「スグに”上手な絵”を持って帰れる!」と勘違いされやすい。
「このアプローチで描く練習」「モーチーフをを単純化して表現する練習」をしないと「観察力」「単純化のアイデア」、「画面のバランス力」は身に付きません。
なので、このような文章が書かれているのだと思います。
Ⅴ 2010年代後半からの時代の諸事情
インターネットや出版物、模写講座で素晴らしい絵を日々大量に目にする機会を得られるようになったことで・・・
・目が肥えたことで自分のオリジナル作品が陳腐に見え、メンタル的にブロックされて描けない。「もっと素敵な絵を目指しているのに、これじゃ『あれ?前もっと上手な絵描いてなかった?どうしたの?』って言われちゃう」
…プロ作品の模写講座より下がるのは当たり前。慣れた「写真模写」より下がるのも当たり前。だって一度も練習したことのないアプローチなんだもん。いきなり”上手い絵”にはならない。経験値を上げるしかない。
・様々な素敵な絵の「スタイルやタッチ」に振り回されて混乱する。
…スタイルやタッチは様々でもプロ画家の素敵な絵は上記Ⅲがなされています。スタイルやタッチはそれを美しく覆っている皮みたいなものです。
・模写講座や本の工程表で通りに描(か)くアプローチのまま取り組みたいと思う。「どうしたらいいですか?『正解』さえ教えてもらえれば綺麗に塗ります。」(塗装職人モード)
…「プロが既に単純化してくれた後のものを写す(模写)」のも勉強になりますが、同時に「自分のオリジナル作品を描くときに単純化を意識して取り組む経験」が無いと問題意識も芽生えず、ただ写すだけでは「気付き」も得られにくいと思います。
・クラフト作品を作るときと同様”間違いのない一本道”で綺麗に仕上げて完成させるものだと思っている。
…常に客観視して画面のバランスを適宜臨機応変にとりながら進むもの。崩れたら直す、狂ったら直す、「技法」よりもその「見方・考え方」のレパートリーを増やすことの方がまず肝心。
・途中でわけわからんように見えて未完成を繰り返す
…大らかタッチの絵って、焦点を手で覆うと抽象画みたいなものもあるくらい。しかも、最後にアクセントを入れることで、急にハッキリと見えてくる「途中不安になる絵」。図鑑の説明図ではないから「客観視」が疎かになり「近視眼」になると見失います。「子細に忠実」ではなくて「印象に忠実」。けして、「雑に早く描く絵」でもありません。
ヒント:常に画面の四隅を視野に入れましょう。また、「明暗」は「印象」への影響力大なので手掛かりにしましょう。
終わりに
重ね重ねですが、趣味の絵はほんとうに「写真模写」でいいと思います。ただ、その種の絵を望むときはアプローチをちゃんと変えましょうということです。模写講座等で指示通りに描いていたアプローチや、子細に写すアプローチからシフトして、初めて「簡単なタッチでフワッとサラッと描いたような絵」の練習が積めるのです。
長くなり過ぎたのでこの辺で終えます(;^ω^)長い・・・続きはまたの機会に。
多分、ここまで読む人はいないのではないかしら?
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毎日雨模様ですね。教室でも紫陽花の絵が盛んです。梅雨が明ける前に描きたいものですね。
伏見教室Sさん 淡路島旅行で雨降りのときの光景を元に描かれました。しっとりとした空気感がよく出ていますね♪「細かくて沢山のモノ」も頑張られましたね☆
カルチャーハウス香里ケ丘 Sさん
雑誌の模写なので練習ですが、窓辺の紫陽花も趣がありますね✨
アートエッセイ
「”大らかタッチ”の絵を練習する前の問題」
※上記の内容とは関係ありません
Ⅰ まず基本の「写真模写」と「屋外スケッチ」私の考え方
私は趣味の水彩画は「写真模写」でよいと本当に思っています。私自身、初心者の頃にそうやって初めて凄く楽しかったので今があります。屋外スケッチを始めたのは写真で描くことに少し慣れ欲が出てきてからです。
写真は立体を平面に翻訳してくれているのでデッサン力をアシストしてくれます。なので年配になって絵を始めた方でも案外早い段階で成立した具象画が描けます。
ポイントは写真の欠点を知って上手く利用すること。『実際に現場に行ったらどんな印象だろうか?』と想像力を働かせるとなお良しです。
また、天候や陽射しの変化にも左右されず、安全な室内で、交通事情や地理的条件もクリアして描けますね。
時間と根気が要りますが立派な趣味の水彩画です。
「屋外スケッチ」はマナー問題、通行への支障から厳しい目で見られており制約がありますし、寂しいところで独りは身の危険もありますね。長時間になると熱中症やエコノミークラス症候群にも気を付けないといけない。【現場原理主義】もなかなか大変。これからの季節は【早描きスケッチ】がいいかもですね。
ちょっと話が反れました(;^ω^)
Ⅱ「大らかタッチの絵」は、何一つ取り組む前に挫折しやすい。
私もそうなのですがこの「写真模写」に慣れると、大らかタッチで雰囲気が魅力の「描(えが)かれた絵」に憧れることが多い。
そこでそのアプローチを把握できないために、全く一度もその練習を積まずして、それ以前に混乱して迷路に入ってしまう方も多いのではないか?と常々感じています。
それは非常に空しいので、それを説明する練習をこのブログ記事を書くことでしている感じです。
Ⅲ「描(えが)かれた絵」のアプローチ
前回もご紹介したアルウィンクロ―ショー氏の本に赤線を追加しました。
クリックすると拡大します。
このアプローチを結論から言うと、書かれている内容の通り「モチーフをよく観察して、一度自分の中で整理して、画面に表現する」それに尽きます。スグに出来ることではなく、経験値を積む必要がありますが、その道を楽むというものなのです。
Ⅳ 「描(えが)かれた絵」のアプローチは勘違いされやすい
※画像の赤番号
①「描きやすくて簡単そう。時間と根気で描くのはしんどい。こっちのほうが楽そう!」と勘違いされやすい。
本質的なものを見極めて簡単なタッチに単純化する仕事をしてあります。単に簡単なタッチで塗るのとはかなり違います。
②「先生の見本を上手に写せば描ける!」と勘違いされやすい。
先生の絵は「季節・時間帯・陽射しの方向・天候・主従・遠近etc」のシチュエーションを加味して「単純化」したものです。それを自分のオリジナル作品に単に写すだけではシチュエーションが違うので違和感が出ます。
③「スグに”上手な絵”を持って帰れる!」と勘違いされやすい。
「このアプローチで描く練習」「モーチーフをを単純化して表現する練習」をしないと「観察力」「単純化のアイデア」、「画面のバランス力」は身に付きません。
なので、このような文章が書かれているのだと思います。
Ⅴ 2010年代後半からの時代の諸事情
インターネットや出版物、模写講座で素晴らしい絵を日々大量に目にする機会を得られるようになったことで・・・
・目が肥えたことで自分のオリジナル作品が陳腐に見え、メンタル的にブロックされて描けない。「もっと素敵な絵を目指しているのに、これじゃ『あれ?前もっと上手な絵描いてなかった?どうしたの?』って言われちゃう」
…プロ作品の模写講座より下がるのは当たり前。慣れた「写真模写」より下がるのも当たり前。だって一度も練習したことのないアプローチなんだもん。いきなり”上手い絵”にはならない。経験値を上げるしかない。
・様々な素敵な絵の「スタイルやタッチ」に振り回されて混乱する。
…スタイルやタッチは様々でもプロ画家の素敵な絵は上記Ⅲがなされています。スタイルやタッチはそれを美しく覆っている皮みたいなものです。
増山修/インスパイアード@MasuyamaOsamu絵の優先順位~球体を例に~
2020/06/24 11:01:03
#描き方 #背景美術 https://t.co/fTF1J79lnJ
・模写講座や本の工程表で通りに描(か)くアプローチのまま取り組みたいと思う。「どうしたらいいですか?『正解』さえ教えてもらえれば綺麗に塗ります。」(塗装職人モード)
…「プロが既に単純化してくれた後のものを写す(模写)」のも勉強になりますが、同時に「自分のオリジナル作品を描くときに単純化を意識して取り組む経験」が無いと問題意識も芽生えず、ただ写すだけでは「気付き」も得られにくいと思います。
・クラフト作品を作るときと同様”間違いのない一本道”で綺麗に仕上げて完成させるものだと思っている。
…常に客観視して画面のバランスを適宜臨機応変にとりながら進むもの。崩れたら直す、狂ったら直す、「技法」よりもその「見方・考え方」のレパートリーを増やすことの方がまず肝心。
・途中でわけわからんように見えて未完成を繰り返す
…大らかタッチの絵って、焦点を手で覆うと抽象画みたいなものもあるくらい。しかも、最後にアクセントを入れることで、急にハッキリと見えてくる「途中不安になる絵」。図鑑の説明図ではないから「客観視」が疎かになり「近視眼」になると見失います。「子細に忠実」ではなくて「印象に忠実」。けして、「雑に早く描く絵」でもありません。
ヒント:常に画面の四隅を視野に入れましょう。また、「明暗」は「印象」への影響力大なので手掛かりにしましょう。
終わりに
重ね重ねですが、趣味の絵はほんとうに「写真模写」でいいと思います。ただ、その種の絵を望むときはアプローチをちゃんと変えましょうということです。模写講座等で指示通りに描いていたアプローチや、子細に写すアプローチからシフトして、初めて「簡単なタッチでフワッとサラッと描いたような絵」の練習が積めるのです。
長くなり過ぎたのでこの辺で終えます(;^ω^)長い・・・続きはまたの機会に。
多分、ここまで読む人はいないのではないかしら?
いつも応援ありがとうございます☆
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コメント
コメント一覧 (2)
ついこの間まで木の緑色の違いも気づかなかった私ですが、人気のプロさんの本は一通り買って毎日見てますから、確かに目は十分に肥えました。
で、自分の絵を見ると!!黒川さんのおっしゃる通り。( ̄◇ ̄;)
じゃ〜どうすればいいか?と、今のところ諦めず試行錯誤して描いていますが〜。
地元の画材屋さんが、油絵の人より水彩画の人が悩んでいる人が多いと言ってました(笑)
黒川 しづこ
がしました