秩序のある絵が描きたい
結局、崩した表現をするのが難しいのは「秩序のある絵が描きたい」からですよね。プロの作品は闊達なタッチで描かれていても秩序だっており破綻していないのが凄いです。普通は崩そうとすると秩序が保てない、または、秩序が崩れそうで恐い。勇気が要ります。
ここで「バババーーッって描けばいいから簡単だよ。」という人は、余程の上級者か、決まり事に縛られず自由奔放に表現する手法の方かと思われます。
自由奔放過ぎてもわかりにくい
では「秩序なんか考えず心のままパッションで自由奔放に描けばいいじゃないか!」となりますがこれがまた難しい。何が難しいかというと、自由過ぎて善し悪しの判断ができず、全部に「イイネ!」というしかない。
「抽象画」や「子供の絵」は批評するのが難しいのに似ています。好き嫌いは感じますが。「素晴らしいですね。」としか言えなくて自分が教室をするには向いてないかなと思います。
秩序の中で頑張りたい
秩序のある絵は「奥行きが出てきたね。」「陽射し感じるね。」「雰囲気が出てきたね。」など、良さ・上達点・改善点が発見しやすく、一般にも評価がわかりやすいのでヤリガイも感じられやすいですね。
私は透明水彩で描く具象画の秩序を大切にするところが好きです。
写真の秩序♡西洋画の秩序
今は写真が手軽に活用できるから恵まれています。特に趣味の透明水彩画で具象画を描く場合は大活躍です。
写真は目で見たものを(かなり)再現してくれますし、また、皆さんが描かれている西洋画のアプローチにも(かなり)沿って表現してくれます。
もし、今、源氏物語絵巻で使われている「上下遠近法」が主流の時代だったら大変ですよ💦使っている秩序が違うので、写真から写し取るように練習できませんから💦
※写真はレンズや一点視の関係で肉眼とは違って…とかの論は省略しております(;^_^A
西洋画の基礎 約600年の歴史
明暗法・空気遠近法・線遠近法はルネッサンス頃には出ていた感じ。
それだけ長きにわたっても廃れること無く多くの人々に支持され続けているアプローチは信頼と実績があります。使わないと損ですね。
だって皆、そのルールにのっとって観てくれるんですから。遠景の人物もパースが間違っていない限り「あの小さい人間は何?変!」って言われないでしょう?(笑)
「写真模写」
とりあえず初心者の頃は「写真模写」でよいと思います。
よく「写真を写し取るように描くのは駄目だ。」とか聞きますが無視しましょう。アレンジするのって意外に難しいことです。それがイキナリ出来たら誰も苦労はしません。
簡略化できる人から見るとじれったく見えるだけなのです。
例えば私が憧れてパソコン画面にしている下の作品。もし、焦って「ババーッとした木の描き方」を判で押すように覚えてしまったら大変です。自分の絵の状況に当てはめられないので稚拙な表現になります。
「陽射しの方向がこうなら、こちらに陰影が出来て・・・」など自然の摂理といいますか、西洋画のアプローチで理解できるようになってくると、こうやって崩した表現も秩序を乱さずに出来るようになります。
余裕が出るまでは写真を観察して描く「写真模写」が現実的に制作が進みますし、完成度も上がりますし、勉強にもなります。
そして、ゆくゆくは西洋画のアプローチへの理解が深まり、それらを意図的に使えるようになり、「写真は参考」と言えるといいですね。そうすれば闊達な表現も夢ではないと思います。
余談
何故、きちっと描くのがしんどくなるのか?
何故、ふわっとさらっと描いている人は、簡単で楽そうに見えるのか?
何故、それをしようとしても難しくてできないのか?
解ったことを図に纏めました。悩んでいただけに問題がスッキリ俯瞰で見えて嬉しかったのです。記録的意味で貼っていますのでスルーしてくださいね(^_^;)💦
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